異形矢印標識あれこれ


異形矢印の定義って,このサイト内で詳しい解説はしていなかったですね.このページでは,そもそも異形矢印とは何か,そしてどんなやつがレアなのか,そんなことを知っていただけるかなと思います.もしかしたら本来の定義からずれてる箇所もあるかもしれませんが,大体の異形矢印を扱うサイト様と同じ定義(のつもり)です.PC版での閲覧だと見易いです.


目次

1.異形矢印とは

2.レアな異形矢印

3.異形矢印の設置条件とか

4.珍しい異形矢印のロケーション

5.副矢印とその傾向(随時更新)

6.おわりに,コメントフォーム,参考資料


1.異形矢印とは

1.1 指定方向外進行禁止標識

 「指定方向外進行禁止標識(311)」とよばれる青地に白い矢印の描かれた標識には,無数にパターンがあり,ゆうに5000パターンを超えています.あれ,教本で見た指定方向外進行禁止標識って311-AからFの6種類だけだよ?と思われる方もいるでしょう.じつは,311-A,Bには鏡像を含めて2種類ずつが,311-C,Dは例示の通りの1種類ずつが,311-Fは鏡像と上下反転を含めた4種類があり,この時点で12種類が確定しています.そして,311-Eには道路事情に合わせた無数の形状があり,これが無数のパターンを生み出す原因となっています.そんな311-Eに着目してその写真を蒐集をする人こそが異形矢印マニアと呼ばれます.自分はまだ3000ほどですが、4000突破されたマニアの方も複数いらっしゃいます.

 

1.2 異形矢印の定義

 さて,指定方向外進行禁止標識の説明が長くなってしまいましたが,ここからは異形矢印についてです.定義としては,指定方向外進行禁止標識のうち,311-Eというものに該当するものではあるものの,全部がこの定義にのっとるわけではなくて,どちらかといえば311-Cの変形版のように見えるものも「異形矢印」と呼ばれることもあります.教本で見たことない変わった形のものだったら異形矢印という認識でよさそうです(先述の通り311-Eだけは異形矢印ですが,教本にある形に合致するものは激レアです).あと,棒がついているもの(後述の「副矢印」)はすべて異形矢印です.ちなみにさっきから教本とか言っていますが,免許持ってないので実物は見たことがありません(オイ)

資料1ー1

異形矢印じゃないもの.通称「デフォルト型」の一覧および,よく混同される環状交差点の標識

 

 資料1ー1に示されたものは異形矢印ではない,つまりこの形以外のは異形矢印です!左に掲載した「異形矢印ではないもの」を解説すると,指定方向外進行禁止標識の「311-A」~「311-D」は,異形矢印と同じような使用方法で,左折禁止とかを伝える役割を持つ標識で,マニアには「デフォルト」と呼ばれています.同じく指定方向外進行禁止標識の「311-F」は,これだけ役割が少し異なり,中央分離帯を示したり,車両の通行区分を示すために設置されています.また,「車両の通行区分(327)」という指定方向外進行禁止標識とは分類が異なる標識の中に,青地に白矢印が用いられた,非常に酷似したもの「(327の10)環状交差点における左回り通行」が存在しますが,こちらはそもそも指定方向外進行禁止標識ではない為除外です.とはいえ,ラウンドアバウトでしか見られない標識で,レア標識の一部ともいえるでしょう.よく矢印を見てみると,指定方向外進行禁止標識とは雰囲気が違う気がしますね.

 

資料1-2

311-Eの例示⁵⁾と全く同じもの

 

実は,教本に唯一載っている異形矢印,超激レアすぎるのです.教本に載っているんだからありふれた形と思われたかもしれませんが,2023年時点で,世界に2枚しかないとされています.

・山形県山形市(画像のもの)

・大分県別府市

 

311-Eの例示一致型の特徴としては,

①鉛直方向に矢印1本,水平方向に左右へ矢印1本ずつ,左上方向に矢印の書かれていない棒1本.矢印の太さを1とすると,鉛直矢印の先端までの長さはおおむね11.5である.

②水平方向の矢印がずれている.具体的には,右矢印の水平部上縁と,左矢印の水平部中心線がおおむね一致.(実際には左矢印中心線より鉛直下側に右矢印水平部上縁の延長線が引かれる.)

③矢印の無い棒は,②で引いた直線と鉛直向き矢印の交点を下端とし,傾斜角46°程度,長さは矢印の太さを1とし,棒の下縁が2.8程度,上縁は1.6程度である.

 

資料1-3

異形矢印の一例

 

先ほどのデフォルト型に似ていても,よく見たら屈曲していたり,明確に交わり方が違ったり,棒が足されていたりと,デフォルト型擬態のものから,完全にオリジナルの明らかに一点ものなものまで,異形矢印の概念は案外幅広いことがお判りいただけたでしょうか

 

資料1-4

異形矢印を構成するパーツ.

 

資料1-4及び下に示す呼称は,あくまでも異形矢印マニアがそう呼んでいるだけです.一応公式な呼称のものも一部ありますが.

 

矢印(主矢印)…画像部分.進行可能な道を表す.

副矢印    …画像部分.進行禁止の道を表す.異形矢印だけに存在する概念で,デフォルト型には描かれない.交差点形状を分かりやすくするために描かれる.また,副矢印が描かれていない場合も多数ある.

矢尻     …矢印の先端部分.

本標識    …異形矢印本体そのもののこと.これは,異形矢印のみならず,全ての道路標識(補助標識は除く)に用いられる用語.

補助標識   …異形矢印やその他の標識に付随して,規制内容を表記したもの.よく「自転車を除く」や「大貨等」と書かれた標識は目にすると思う.これは,国土交通省が定める道路標識一覧にあり,補助標識は公式な用語の一つ.

2.レアな異形矢印

2.1 バツ印

 北は宮城、南は九州北部と、幅広く分布しているものの、宮城や新潟、佐賀を除けば、各県に片手で数えらられる程度しかありません。バツ印は、白いバージョン、赤いバージョン、佐賀バージョン(赤いバツに白い縁取り付き)の3パターンがあります。まだ佐賀バージョンは撮影できていないので、早く九州に行きたいです。

 バツ印のものは,撤去やマスキングが進んでいるのが現状で,富山や宮城も撤去が進んでいます.群馬県では過去に設置したバツ印のものにマスキングしたものが残っていることがあり,桐生市に5個体見られます.もちろんのこと,バツ印のものは新規設置がほとんどないです.ほとんどという表現にしたことからお察しの通り,宮城と福岡に令和生まれのバツがいるのです.いいぞ!!

2.2 蓋型

長崎にあったものが撤去され、今では茨城県のみにしか存在しない「蓋型」。進行禁止の道路を強調するように副矢印と垂直な線が引かれていることが特徴です。2023年5月時点で現存するのは茨城県日立市の3つのみ!線が引かれている理由は、設計者しか知らないでしょうし、永遠の謎です。

 河原子海岸のもの(2基)は,夏の深夜帯だけの規制というこれまたレアな規制です.諏訪五差路のもの(1基)は道路の改良工事の真っ最中で,撤去が心配で週一で確認しに行っていますが,2023年7月時点ではまだありました.夏休みには日立にはなかなかいかないので,その間に撤去とかは勘弁してくれよ…?

2.3 規制予告の中に描かれた異形矢印(予告異形矢印)

「規制予告」と言う標識は、その名前のとおり、この先にある規制などを事前に教えてくれます。よく見るのは、この先に通学路規制があります、だったり、都内だとこの先に横断歩道があります、といった内容のものです。

そんな規制予告には、異形矢印が書かれたバージョンのものもありますが、割とレアです。交差点手前(大体は 100 m 手前)に設置される特徴ゆえに,交差点付近をメインに訪れる我々マニアには見過ごされている可能性が大きいものの,数が多くないのは確かです.だいたい栄えていて道が複雑な地域にあるので,地方の小都市や碁盤目状の区画の町だと見つけずらいです.

2.4 内照式異形矢印

夜間になると発光するコストのかかる標識で,ここぞという箇所にしか採用されません.大都市圏ではおおいものの,地方都市ではなかなか見つかりません.東京でも23区には24基に対し,多摩には2基のみなどと,同一都道府県でも差異があります.

2.5 可変式異形矢印

 もちろんほかにもレアな異形矢印はあります.「可変式」と呼ばれる,規制時間によって標識が動いて中身が変わるものがあります.可変式には大きく分けて"幕式","円盤式","三角柱式"があり,現在は壊れにくく最大3可変でコスパのいい三角柱式が主流です.日中に訪問しても速度規制標識なのに,朝のわずかな時間だけ異形矢印が表れることもあり,こんなとこにも異形矢印があったのか!となることもしばしば.しかしながら,可変式が故障してしまうことは多く,せっかく見当をつけて朝4時に起きて何十キロも離れた街まで行ったのに,結局速度規制のまま動かなかったなんてことも…

↑三角柱式の挙動(東京都足立区)

↑幕式の挙動(群馬県前橋市)


↑円盤式の挙動(新潟市新津・撤去済み)

3.異形矢印の設置条件とか

 明確にここにあるよ!とは言えないのが異形矢印の面白い点です.もちろん規制がなければ異形矢印は生まれません.そして,札幌や東京の城東地区を筆頭とする碁盤目状の街区では見つかりにくいです.というか皆無に等しいです.皆無とか言われたら探したくなりますが,ほんとに碁盤目とそうではない地区の境目以外には見つかりません.そして,県公安委員会が異形矢印を設置したがるかという条件もあります.

異形矢印が多い県(50基以上ある自治体が2つ以上ある県) 異形矢印が少ない県(総数30以下の可能性のある県)
 神奈川,静岡,東京,埼玉,長野,群馬,栃木  鳥取,京都,香川,沖縄,長崎など

 上に,異形矢印が多い県と少ない県をまとめました.調査していくうちに変わりゆくデータなので,ご承知おきください.

多い県(50基以上異形矢印がある市町村が2つ以上ある都道府県)

 神奈川県(特に横浜と川崎)は適当に歩き回っていれば見つかるくらい,尋常でもない設置数があります.コスパ最強ですが,カメラのメモリは十二分に開けてから訪問したほうがいいでしょう.次いで多い印象があるのは静岡県です.設置箇所は県全体に広く分散しているものの,固まっていくつもの異形矢印があることが多く,ピンポイントでめぐるだけでも多く撮影することができます.長野県や群馬県は,複数の村に異形矢印を設置している県です.線形が単純なことが多い村の道路にも異形矢印を設置してしまう両県は,もちろん市街地にもそこそこあります.

 埼玉県は事情が異なり,どんどん設置数を減らしています.隣接する千葉県も同様で,規制予告Bのような見た目の独自標識への置き換えが進んでおり,着実に数が減ってきています.

 隣接する東京都は現在増殖中です.いつの間にこんなところにできたのか!ということが最近多くなり,うれしいです.そして,標識の交換スパンが尋常でないレベルに早く,5から20年サイクルなのかなと思っています.色褪せた標識が無い反面,珍しい標識も容赦なく交換されて,ありふれた形にされてしまうこともあるので,見つけたら早めに撮影したほうがいい県(都)でもあります.ちなみに,東京都は,神奈川県では異形矢印を設置していそうな交差点でも設置していない為,設置頻度で考えると低いです.しかしながら,1000を超える異形矢印があることは確定しています.

少ない県

 個人的に、山陰両県,京都,香川,沖縄,山梨、長崎,福島あたりが少ないと感じる県ですが,総数30以下の可能性がある県は上の表にまとめた県です.複雑な道や交通規制が少ないこともあるかもしれませんが,やっぱり設置していてもおかしくない場所でも設置していないです.沖縄が特に顕著です.ちなみにですが,異形矢印が少ないからといってつまらない県というわけではなく,県のなかでも数か所の選ばれた交差点に設置されているゆえに,なかなか見ごたえのあるものが多いです.

 

一方通行出口 通学路規制 大型車規制 その他の規制

 一方通行道路の途中や出口に設置されます.中央分離帯のある大きな道路に設置されているものも含みます.

補助標識の文言

全国「一方通行路」「一方通行出口」「右(左)折禁止」「自転車を除く」など

和歌山県「一方通行関連」

 近隣の公立小中学校の通学路を,朝の登校時間帯(加えて下校時間帯もする場合有)に規制をするものです.

補助標識の文言

全国「土・日曜,休日を除く 7.30-8.30」「土・日曜,休日を除く 7:30-8:30」など

 道幅や交通事情によって大型車の進入が危険な道路にある規制です.具体的な車長や積載量,規制時間帯を指定する場合もあります.

補助標識の文言

全国「大貨等」「大型貨物等」「大型バス」「大型自動車等」「(トラックのピクトグラム)」など

和歌山県「通行禁止関連 大型等」

 交通量が多く,右折等を許すことにより事故や渋滞が起こる可能性がある場合や,日中に商店街を歩行者天国にする場合などのことです.

補助標識の文言

「7-20」「踏切横断後右折禁止」など多種多様

 上の表に,異形矢印(のみならず指定方向外進行禁止標識全般)の主な設置条件をまとめました.

一方通行出口

もっとも多いだろう異形矢印の設置条件です.すべての都道府県で確認されています.大体は補助標識がないか「自転車を除く」であるものの,場所によっては「一方通行出口」「一方通行路」などと書かれています.和歌山県に限り「一方通行関連」という独特な表現が用いられます.

通学路規制

「7:00-9:00 自転車を除く」みたいな規制のことです.近隣小学校の通学時間に合わせて時間は設定されています.全ての都道府県に通学路規制はあり,ほとんどの県で通学路規制の異形矢印が設置されているものの,消極的な地域もあります.管理人の出身地の東京23区もその一つで,現存する通学路規制の異形矢印は東京都練馬区の1つだけではないかと思っています.かつては世田谷区にもありましたが,新道開通とともに消えてしまいました.おそらく,東京23区(の下町エリア)は小学校が多くて住宅地のほとんどの道が通学路規制にかかるため,「暗黙の了解」みたいな感じで規制時間帯も通行を容認してしまっているのかもしれません.一部道路で馬出し看板がある以外,通学路規制エリアの対象時間でもバンバン車の往来があります.

大型車規制

道幅が狭くて大型車が入ると困る道にあります.大型は大型貨物(大貨)と大型乗用(大乗)に区別されますが,大乗単独は非常にレアです.だいたいは大貨単独,もしくは大貨と大乗の両方を含めた規制です.県によっては,朝だけ禁止したり,3t以上を禁止したりと,バリエーションがあります.群馬県では,具体的に車長8m以上禁止などといった,他県では見られない文言のものもあります.また,和歌山県では「通行禁止関連」と書かれたものもあります.

その他

この時間帯にこの方向に進まれると渋滞や事故の原因になりかねないし規制してるのかな,などと,明確に禁止理由がわからないものの,規制がある場合です.よく見るもので例えるなら,大通りの交差点で,日中は右折禁止みたいなものです.

4.珍しい異形矢印のロケーション

異形矢印は複雑な道の多い都市部の設置がメインです.しかしながら,地方の小都市や集落でも異形矢印が皆無というわけではなく,わずかながらも設置されている場合があります.

4.1 村にある異形矢印

村にある異形矢印の一例.天龍村にて
村にある異形矢印の一例.天龍村にて

村に異形矢印があるなんて,実は非常に珍しいことです.2023年10月現在,北方領土を除いて183村あるうちの10か村でしか異形矢印は発見されていません.下記以外に見つかったら是非教えてください.

 

群馬県

 榛東村,高山村,嬬恋村

長野県

 阿智村,下條村,天龍村,白馬村,松川村,宮田村

沖縄県

 読谷村

4.2 島にある異形矢印

島の異形矢印の一例.浜名湖の弁天島にて
島の異形矢印の一例.浜名湖の弁天島にて

日本は島国なので,(離島とかの意味合いで)「島」を定義するにはやや難ありですが,ここでは各県の本土からは区別され,自然形成された島であり,地図上で島と書かれるものとします.国土地理院の調べによると,1.4万近く島があるそうです(補足1)⁶⁾.うち有人島は内水面の琵琶湖にある沖島を含め416あるそう⁷⁾.かつては島だったが本土とつながった場合,砂州など自然形成の場合(陸繋島)は島,埋め立ての場合は「本土」とします.

ex)沖縄県の沖縄本島は「本土」で,石垣島は「島」

ex)東京都のお台場は「本土」,霊岸島(23区の人工島)や佃島(同)は「本土」,妙見島(23区の自然島)は「島」,伊豆大島は「島」

ex)北海道の函館(陸繋島と砂州に発展した街)は現代において島とは言われない為「本土」,洞爺湖の中島は「島」

(補足1)国土地理院の集計では湖などの内水面の島は除外されているので,この特集での定義とは若干異なる部分がある.

 

東京都

 大島(大島支庁大島町,太平洋)

静岡県

 弁天島(浜松市中央区舞阪町弁天島,浜名湖)

新潟県

 佐渡(佐渡市,日本海)

広島県

 向島(尾道市向島町ほか,瀬戸内海)

 生口島(尾道市瀬戸田町ほか,瀬戸内海)

 江田島(江田島市,瀬戸内海)

島根県

 島後島(隠岐郡隠岐の島町,日本海)

山口県

 彦島(下関市彦島,関門海峡)

熊本県

 大矢野島(上天草市大矢野町,東シナ海)

 下島(天草市ほか,東シナ海)

5.副矢印とその傾向

行けない方向を表す副矢印.実は県によっては使いたがらない県もあるようです.

撮影した異形矢印から,その傾向を探ってみようと思います.

訪問した都道府県でも、母数が30を下回る場合は,副矢印率を求めません.母数が200を下回る場合も精度が低いため、を付しています。200以上の母数を有する県は太字としています.

県名 母数 うち副矢印あり 副矢印率
北海道 89 38 43%
青森県 19 18 ***
岩手県 16 12 ***
宮城県 47 30 64%
秋田県 ***
山形県 17 12 ***
福島県 27 ***
茨城県 301 174 58%
栃木県 172 130 76%
群馬県 270 152 56%
埼玉県 500 91 18%
千葉県 79 24 30%
東京都 1009 615 61%
神奈川県 595 152 26%
新潟県 65 18(17) 28%
富山県 14 11 ***
石川県 ***
福井県 27 20 ***
山梨県 18 13 ***
長野県 102 44 43%
岐阜県 ***
静岡県 275 71 26%
愛知県 78 43 55%
三重県 19 ***
滋賀県 16 13 ***
京都府 11 ***
大阪府 47 18 38%
兵庫県 19 18 ***
奈良県 24 11 ***
和歌山県 23 13  ***
       
     他の県は訪問次第追加  

注1:新潟県の副矢印の数について,三条市四日町にある異形矢印の扱いが難しいため,括弧書きで,それを除した値を示しています.

注2:撤去済みのもの,更新後のものを含めた統計なので,設置年代による傾向の把握には適さないデータです.また,撮影済みのもののみでの統計のため,真値とは異なる可能性があります.また,これは2024年4月11日時点でのデータです.

 

副矢印の傾向考察(もっと母数ほしい)

関東地方北関東は副矢印使用が全体の半数(50%)を超える一方,南関東東京を除いて副矢印をそこまで用いない傾向があった.特に神奈川県が顕著で,全体の1/4程度しか副矢印が用いられていない.東京都は,異形矢印の設置自体に(交差点数に対しては)消極的であることもあり単純な形状のものが少ないゆえに副矢印を用いたものが多いと思われる.栃木はいわゆるデフォルト型に副矢印を足した形状が多かった印象がある.群馬は関東で(知る限り)唯一,村に異形矢印を設置している自治体である.うち副矢印があるのは榛東村のみであった.一方,高崎や前橋などを代表とする県内の著名な市では,副矢印の付いた異形矢印が7割以上市内に確認できる自治体が多数を占めた.千葉は母数が足らず,考察には適さないと判断し,今回はより詳細な記述は見送る.

中部地方…神奈川県に隣接し,異形矢印が全国トップレベルに多い静岡県は,母数の違いがあるものの,神奈川県と同じく副矢印の採用は消極的か.こちらも母数が足らない為,これが正しい考察であるとは限らないが,そこまで大きく変化することは無いと思われる.

6.おわりに

 いかがだったでしょうか.異形矢印探し歴5年目に突入して,サイトは4年目というこの時期に,やっと異形矢印とは何かというページを作りました.遅すぎる気もしますが,まだまだ知識不足ゆえに,この記事も未完成です.関東近辺しか探索できていない上に,長年住んでいた東京都すら未撮影のものがあるくらいです.それだけ異形矢印の世界は奥が深く,すべての異形矢印を制覇だなんてほぼほぼ不可能な世界なんです.距離的な制約のみならず,撤去されて撮影がかなわなかったなんてことも多いです.

 近場でも面白いものが見つかることがあり,なかなか侮れないです.ぜひ皆さんも散歩しながら異形矢印を探してみてください.

記2023-6-12

コメントや,こんな統計も見てみたいなどのご意見や,情報提供待ってます!お気軽にどうぞ!

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執筆 2023年06月12日

最終更新 2024年04月11日


参照サイト等

過去に私が撮影したものや,事前調査で発見したものに加え,下記のウェブサイトを参考にしました.

Web記事の場合,「著者名(原則敬称略),”サイトのページ名”,サイトのタイトル,リンク,(参照日)」の順で並んでいます.

(例:縹,”異形矢印のあれこれ”,東京地歴探訪,https://hanada-absol.jimdofree.com/(参照YYYY-MM-DD))

1)山﨑賀功(りん),道路標識めぐりの旅,https://trafficrinsan.jimdofree.com/(参照2023-06-12)

2)吾妻,異形矢印のアクアリウム,https://marinetainer.web.fc2.com/VariantArrow/home.html(参照2023-06-12)

3)うみ,道路標識道,http://road-sign-do.main.jp/(参照2023-06-12)

4)Sign Mania,Sign Mania,https://www.sign-mania.com/(参照2023-06-12)

5)国土交通省,”道路標識一覧”,国土交通省,https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/ichiran.pdf(PDF形式,参照2023-06-12)

6)国土交通省国土地理院,”我が国の島を数えました”,国土地理院,https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/pressrelease20230228.html(参照2023-10-11)

7)公益財団法人日本離島センター,”知るー基本情報ー”,しましまネット,https://www.nijinet.or.jp/info/faq/tabid/65/Default.aspx(参照2023-10-11)