バツ印異形矢印標識

 普通、進行不可能な道を表す際、標識図柄の作成者(県警)の判断で、矢印の付いていない棒のようなもの(マニアは副矢印と呼んでいる)を付けて行けないことを強調します。しかしながら、一定数の運転者は副矢印を進行可能の道と間違ってしまうようです。

 日本全国には、副矢印を更に強調する表現として「バツ印」「蓋」「副矢印を赤く書く」「進入禁止標識を描く」など、様々な手法がなされているようです。蓋は茨城県日立市、赤く書くものは佐賀県、進入禁止標識を描くものは、いずれも今はありませんが、徳島県と埼玉県にあったようです。

 これら強調する手段の中で最もポピュラーなのが「バツ印」です。私が把握している限りでは、北は宮城、南は大分や佐賀までの広い範囲で見つかるようです。 

 私が撮影したバツ印は極わずかですが、近年は表示の統一化により消えつつある独創性のある異形矢印をまとめてみます。


凡例

 

バツ印の色.白か赤の2種.
形状 Xの字のような細長いものを「エックス字型」,×の記号のような一般的なバツ印を「乗算記号型」と命名して分類した.
規制対象  何に対しての規制なのか.車両すべてなのか,大型車だけなのか,など.
設置者 標識を設置し,管理する主体.県公安委員会が基本である.

東北地方

宮城県仙台市宮城野区

色:赤 形状:エックス字型 規制対象:なし(行き止まりの注意喚起) 設置者:宮城県公安委員会

備考:異形矢印のなかでもイレギュラーな存在で,バツ印の方向に進むことは違反ではないです.宮城県公安委員会の点検シールが貼付されていたので,れっきとした標識なんですが,不思議なものです.

 

宮城県大崎市

色:赤 形状:乗算記号型 規制対象:大型貨物自動車等 設置者:宮城県公安委員会

他:新しくなった市庁舎の近くにひっそりと残っています.

 

宮城県塩竈市

(左)色:赤 形状:乗算記号型 規制対象:すべての車両 設置者:宮城県公安委員会

(右)色:白 形状:乗算記号型 規制対象:すべての車両 設置者:宮城県公安委員会

備考:赤いバツの方は,令和になってから新設されたものです.新規のバツはめちゃくちゃレアです.

 

宮城県多賀城市

色:白 形状:乗算記号型 規制対象:自転車を除く車両 設置者:宮城県公安委員会


関東地方

茨城県土浦市

色:白 形状:乗算記号型 規制対象:すべての車両 設置者:茨城県公安委員会

 

栃木県宇都宮市

色:白 形状:乗算記号型 規制対象:自転車を除く車両 設置者:栃木県公安委員会

他のバツに比べて小ぶりで,しかも線の延長上にバツ印がない珍しいタイプです.

 

群馬県館林市

色:赤 形状:乗算記号型 規制対象:すべての車両 設置者:群馬県公安委員会


中部地方

新潟県三条市

色:白 形状:乗算記号型(カド丸) 規制対象:自転車を除く車両 設置者:新潟県公安委員会

矢印が書かれているのにバツ印!?おそらくここだけでしか見られません.

 

新潟県燕市

色:白 形状:乗算記号型 規制対象:すべての車両 設置者:新潟県公安委員会

 

富山県富山市

色:赤 形状:乗算記号型(カド丸) 規制対象:自転車を除く車両 設置者:富山県公安委員会


日本の東側しかまだいけていないので,まだ内容が薄い記事でしたが,いかがだったでしょうか.

いままで撮影したバツ印を並べてみましたが,規格外であることもあってか,バツ印の形や太さ,書き方などが統一感ないことが分かりますね.

今後もバツ印を撮影したら,ここに追加しようと思います.


2024-2-25執筆

コメント: 0